事例集 遺言を偽造した兄の相続権はどうなるか このケースの問題点 「遺産は全て兄に相続させる」という父の遺言書が、兄の偽造だとばれ、その後に兄は法定相続分を主張し始めました。 このケースの解決事例 兄は、父の相続に関しては相続欠格者にあたり、裁判所の手続をするまでもなく、相続権を失うことになります。 相続欠格とは、相続において不当に自己の利益を図った相続人に対する制裁のため、その相続権を失わせる法定の制度です。 相続欠格者には、【1】 生命に対する侵害をした者【2】遺言に対する侵害をした者とがあります。 前者【1】は被相続人や他の相続人を死亡させて刑に処せられた者です。 後者【2】は遺言書を偽造した者のほか、遺言書を捨てたり、隠したり、また、被相続人(父のこと)を強迫して書かせた者などがあてはまります。 ただし、兄が相続欠格者として相続権を失っても、兄に子がいれば、その子がお兄さんの代わりに相続権を取得します。